正直、自分には自信がありました。若い頃から女性にはもてたし、ガールフレンドが途切れるということなんてありえませんでした。二人の男女が体を重ね乱れるその行為は、私のエネルギーの源でもありましたし、快楽に終わりはなかったのです。私は、日々最高のセックスを求め、野獣のように過ごす肉食系でした。

ただ、そんな私も三十路を迎えるにつれ、仕事が忙しくなり、なかなか女性に近寄ることが難しくなってきたのです。セックスはもちろんデートすらない、そんな日々を過ごしていた矢先、私は男のプライドをズタズタにされる経験をしました。

それは高校の同窓会。独身の女が、ホテルに誘ってくれたことがすべての始まりです。歳のわりにスタイルが良い彼女を前に、胸を高鳴らせてはいたのですが、久々だったせいか、私のモノは萎縮。その時、ふと彼女は「あぁもうEDなんだ」と呟いたのです。それ以来、私は完全に自信を無くしました。EDは年寄りだけのものかと思いましたが、そうではなかったのです。
 
ED…まるでお前は男じゃないんだと言われるようでした。もう女性には近づけないし、セックスする勇気が生まれません。EDであることがバレないよう隠すことに必死になりました。以前とは180度違う私がいたのです。

EDの原因をつきとめるために、沢山勉強しました。すぐにバイアグラが良いとわかったのですが、当時はバイアグラを詳しく知りませんでした。ただ、やはりダメ元で挑戦してみたのです。

はじめは、一人で使いました。出社前に何となく飲んでみましたが、実はそれは大きな間違いでした。通勤時、股間が大きくなってきてしまったのです。慌てて途中下車し、トイレでモノをベルトで抑えるようにして出勤することになりましたが、バイアグラがこんなに効果を発揮するとは思いませんでした。
 
それからです。徐々に私は元の自分を取り戻すことができました。バイアグラを使いEDを克服、またセックスを楽しめる時がきたのです。自分でいうのもあれですが、私は、女性に不満を抱かせませんでした。むしろ、女性が早く力尽きてしまうといって謝るくらいです。バイアグラを服用することは何も恥ずかしくありません。むしろウジウジしていた服用前の自分の方がよほど恥ずかしい。

そういえば、最近また同窓会に呼ばれました。バイアグラとともに出かけてこようと思います。本当に、お世話になりました。